ファルトボート(フォールディングカヤック)についてあれこれ書いてます
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号艇 「カサラノ」 艇長 5.4m 幅 56cm 重量20.25kg

デッキ色 レッド  ボトム色 ブラック         
              

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  カナダのフェザークラフト社製、グリーンランドタイプのシーカヤック。
 高い直進性、回転性、一次安定性は低く、ニ安定性は高い。そのファルトボートらしからぬスピード、乗り手の身体動作がダイレクトに伝わる操作性、カヤック界随一の優美なスタイル等により熱狂的なファンも多いと言われており、「別格」という言葉のもっとも似合うファルトボート。エアチューブの空気を完全に抜いても乗ることができ、その場合操作性が変わる。とにかく乗ってて楽しいカヤックだ。

   
 購入顛末

シーショアと全く乗り味の違う艇が欲しいと思い、エルズミア480と検討。最初の20秒で購入をあきらめかけたが(一時安定の低さゆえ乗りこなせる自信がもてなかった)、今までのファルトとは次元の違う乗り味、操作性、そしてスピードの速さ、美しさに結果的に魅了されて試乗会終了時には購入確立80%に達していた。その一回の試乗で僕の頭からエルズミア480の選択は消滅?してしまった。

 性能等

 直進性は高く、リーンを掛けないで曲がろうとしてもあまりまがらない。リーンをしっかり掛ければしっかりとターンできる。切り込んでいくような外傾ターン。操作性はファルトとしては劇的か。動作がダイレクトに伝わる為、初めてのったらびっくりするほどだ。艇長長く、幅が細くそしてボトムの形状もあるのだろうスピードはファルトのツーリング艇としては随一。

 ローボリュームとスピードの為か向かい風に非常に強い。下手なリジット艇を凌駕するくらいだ。

 空荷の場合、喫水が上がりウェザーコッキングがおこりやすくなる。ここでしっかりリーンを掛けて曲がる技術が必要になる。

 エアチューブ張り出しはほとんど無く、一時安定性は低い。ある程度傾ければ粘る。初めて乗ったらびっくりする。怖いといわれるのはこのためだ。カサラノは他のファルトと違ってカサラノ用の練習をしないと上達しないとは大瀬さんの弁。修行あるのみと言ったところか。

 二次安定性はまずまずで傾けた状態でねばる。リーンを掛ける楽さは特筆もの。

 積載量について

 幅が56cmと細身であるため多くの荷物を積むのは難つかしい。ある程度その辺りは割り切る必要がある。が長さを利用して一つ一つの荷物をコンパクトにすれば思っていたよりは乗せることが出来る。バウ側はレインフォースメントバーの干渉があるので工夫がいる。スターン側はハッチが大きくて荷物は乗せ易い。

 フレームについて

 アルミフレームと高密度ポリエチレン(リブに使用)のハイブリッド

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 アルミレームはフェザークラフトが世界に先駆けてファルトボートのフレームとして採用。これによりファルトボートの形が以前より格段に自由に形成できることになったとか。後はパイプ形成できるので、重量を落とす事に成功。そしてコンパクトにもなるとゆうことで、「電車でカヤック」に有利だ。
 
  
               
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 リブフレームは高密度ポリエチレン。その特徴は耐衝撃性、引っ張り強度が強く、耐水性に優れる。無毒性でもある。カサラノのリブフレームは6枚。たしか1枚1枚削り出しだったはず。1から6までの番号がついている。4番リブが標準のタイプ以外にオプションでローリングリブに変更可能。ローリングリブは上部が低くなっており、レイバック系(体を後ろにそらす系統)のロールが容易になる。積載量は低くなるのでキャンプツーリング等では標準リブのほうが良い。それはそうと1番リブはなんとなくセクシーであるな。

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 オプション扱いの「ローリングリブ」(上記左写真の右側、右写真の手前)を取り付けると、レイバック系(背を反らすタイプのロール)がしやすくなる。それとスターン側のデッキが低くなるため、よりトラディショナルスキンカヤックに形状が似るようになる。

  カサラノを構成するフレームの高い「骨密度」で、フェザークラフト社の執念が詰まっているなあと、初めて見たときは思ったものだ。

 

  
  レインフォースメントバー  
  
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 バウ側、デッキバーが途中から下降しそのままキールと合流するという、カサラノを特徴づけるフレーム。剛性がアップする。バウ側デッキに物を置く場合、ある程度重量のあるものはコクピット直ぐ前側に置くが、その部分はデッキバーで支えられており、それ以上前側、支えの必要性がそんなに無い場所(特にカサラノのように細身で更に先端部が非常に細身のカヤックにおいては)ではフレームが下降してデッキを支えるバーは無い。絶妙なバランスというべきか。まるで野球での球種「フォークボール」の軌跡のような落ち方ならぬ曲がり方、実はダグ社長がメジャーの試合を見てて思いついたのだ、ってそんなことは勿論無い。と書いてて気付いたが、ダグ社長カナダ人じゃないか・・・。 
 
  サイプレイスバー(正式名称では無い)

 コクピットに座ったとき、ふともも上部を左右に走るフレームで、乗り手と艇の一体感を増す効果がある。ダイレクトに乗り手の行動を反映するカサラノには必要なフレームで、これにより更にリーンが楽にかけることが出来る。乗り降りが若干窮屈気味になるのは致し方なし。

  チャインバー

 フェザークラフト独特のテンション掛け(てこの原理を利用してキール、チャイン、ガンネルの5本を1本ずつ掛けていく方式)でチャインバーを初めてテンション掛けした人は一様に驚くとか。フレームが「ごっつい」曲がるのだ。もちろんテンションはずしたら元に戻るのでご安心を。

 
 船体布  ボトム デュラテック デッキ ポリテック

 ウレタン系ゴムで強度的に優れるのが特徴とのこと。キールやチャインバーが通る場所は穴あき防止の為補強されている。収納時、ぐるぐる巻きに出来るので、収納スペースが有効的に使える点が長所。実は僕が気に入っている点だったりする。これについてはザックの項で詳しく書くことに。さわり心地が結構好きだ。

 ラダー(カサラノレギュラーはオプション扱い)
  
 噂には聞いていたがスムーズだ。上げ下げも、ラダーを動かすのも。そういえばリジット艇でも採用しているとか、フェザークラフト製を。装着するのにそんなに時間がかからないのも良し。カサラノはキャンプツーリング時の荷物を積んだ状態で最適になるように設計されているとか。空荷やデイツーリング時の装備程度では艇の喫水があがり、バウ、スターンの先端が水面からそこそこ離れている為、その状態でラダーを入れた場合、水面に刺さっている面積はそんなに大きくない。故に利きはややあまいがいざというときには役立つ。しかしもう少し長い方が正直いいと思う。

 伝統的カヤックにこだわる方はラダーを装着しないで方が多い。ラダーはもともトラディショナルカヤックには勿論ついていない「新兵器」であるのだから当然であろう。

 キャンプツーリング時等、荷物を多く載せる時はラダーがあった方が有利。操作がどうしても重くなるのでめんどくさいのだ。

 ラダーを落としていて、途中で上げたとき「水を得た魚」のようにカサラノが動き出すのは面白い。

 ラダーを落としているとき、横方向からの波を受けると、上げている時に比べて抵抗が増える為、艇がゆすられる。上げている方が横波に強いのが明確に分かる。処女航海の常神ツーリングにおいて、操作に自信の無い僕はラダーを落としていたが、横波によって艇が揺さぶられるので途中から上げた。が漕いで戻る時に波に乗ってしまい、参加メンバーから90度の方角に一時的にひとり旅をしてしまったものだ。ラダー下ろしていれば楽に方向転換できたであろうが。臨機応変にラダーの上げ下げをするべきである、という事を実地に学ぶことが出来たという事にしておこう。

 

 仮説 グリーンランドカヤックが何故生まれたか

 もともとツーリング用でもなくロール用でも勿論無い、狩猟用のカヤックとして生まれたグリーンランドタイプのカヤック。狩猟用ならもっと安定があった方が有利であるのは自明の理。そもそも後継者育成にも良い(安定性のあるほうが乗りこなしやすい)。ずっと何故だろうと僕は思っていた。でとりあえず強引に理由を考えてみた。以前書いたかもしれない僕の暴論をもっと詳しく書いてみる。それは・・・

 集団内で重きを成すためには「力」が必要である。その当時の重要な力の一つはは狩猟の腕。スピードの出る性能のいいカヤックを所持していれば狩猟時にも有利であり「認められる」のだ。試行錯誤の上出来たのがグリーンランドタイプのカヤックの前身。集団で狩りを行うとはいえ、スピーディーに狩りをする乗り手は集団内で尊敬を勝ち得、重きを成していく。そして今に伝わるグリーンランドタイプのカヤックが生まれ出でる。暴論と書いたもののそれなりに説得力が無いこともないと思うが如何?

 さて以前二見が浦でご一緒させていただいたウィスパー乗りSさんの仮説である。 カサラノのあのバウやスターンの形、あの形は非常に造波抵抗が少なくスムーズに艇が進む形とのことだ。実際カサラノを漕いでいると他のファルトとは大きく違い造波抵抗が少ないのを感じることが出来る。

 波というのは水中でも生じるものらしく、それが伝わると獲物に気づかれてまし、逃げられる羽目に。造波抵抗が非常に少ない船の場合、ほとんど水中での波が乗じない為、獲物に気づかれ難い。とここまで書けばもうお分かりであると思うが、グリーンランドタイプのカヤックは、とどのつまりスピードを求めて作られたというよりも獲物に気づかれ難いカヤックを作っていった結果、あの形に進化したのではないかと思われるとのことだ。因みに猟(漁)のときは波を立てないでゆっくり漕ぎ、体はデッキに伏せ気味で相手からの視認性を低くしていたんじゃないかとのこと。 

 これを聞いた僕は直感的に「これがグリーンランドタイプのカヤックができた真の原因なんじゃないか」とおもったものだ。恐るべきサイレントハンター「グリーンランド人」に刈られた獲物達こそ哀れなり。

 

 その他カサラノについて

  カサラノは他のファルト様々な面で相当違うので、手に入れればファルト生活を2倍楽しめるかと。そもそも乗り慣れていない場合、見える景色まで違ってくる。

 カヤックに乗るというが、カサラノの場合「駆る」というイメージを持っている。カヤックの性能を乗り手が引き出す部分が多いからだろうか。馬を乗りこなすようにカヤックを乗りこなすという感覚からきているのかもしれない。といっても僕は乗馬の趣味は持っていないが。

 もしカヤック美人コンテストなんてあれば(あるわけないが)、間違いなくカサラノがチャンピオンになるだろうと思う。。リジット艇のグリーンランドタイプカヤックでは勝てない理由がある。それはファルトの場合、水上においてコクピットに人が乗っている場合、たわむのだが、それが絶妙な形を生み出す。カサラノの場合それが顕著で、まるで「月の舟」である。

 最初の方でも書いたが、カサラノのレギュラータイプは、エアチューブの空気をすべて抜いて乗ることが出来る。さらに操作性がアップ、一時安定性がダウンするものの、非常に楽しい。より身体動作がダイレクトに伝わり、また別のカヤックに乗っているみたいだ。傾けた時の粘り(二次安定性)は、エアチューブの有無ではなく、カサラノの形状によるものであると分かった。エアチューブは、一時安定性に寄与するのだ。

 

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